最終回「灯」


馬締と荒木は大渡海の刷り出しを手に、松本の自宅を訪れた。嬉しそうに紙に触れる松本。

しかし松本は告白する。食道に癌が見つかったのだ......。

そして初春を迎えた頃、とうとう『大渡海』の完成が目前に迫る。そんななか、編集部の電話が鳴り響く。
それは、松本の死を知らせるものだった―――。

『大渡海』は完成し、華やかなパーティが開かれた。そんななか、荒木が取り出した手紙を読んだ馬締は涙を流す。
そこには、松本からの感謝の言葉が綴られていたのだ―――。

そして......桜舞う春の日。馬締と香具矢が歩いている。馬締は、松本の言葉をかみしめながら、辞書作りについて思い巡らせている。

「僕らはくり返し、舟を編む」

香具矢としっかり手を繋ぎ、馬締は歩み続けるのだった―――。

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